妊娠成立時のストレス量による影響
サイモンフレーザー大学(SFU)の研究チームは、「Journal of Developmental Origins of Health and Disease」にて、妊娠成立時における母親のストレス量が、子供のストレス反応に影響を与えると発表した。
妊娠成立時に母親が受けたストレス量は、11歳まで、子供の苦境・困難に対する反応を左右した。
妊娠成立時の母親のストレス量と子供のストレス反応における関係性
研究チームは、妊娠成立時に母親が受けたストレス量と子供のストレス反応における関係性を検証した。母親は、妊娠成立時から妊娠8週目まで、ストレスホルモン「コルチゾール」を測定した。なお、妊娠成立は尿検査にて生殖ホルモンを測り、判断している。
また、子供は12歳、中学入学時期に、新学校生活に対するストレス度合いを評価した。合わせて、パブリックスピーキング(人前で話す)を行い、人前で話す体験から受けるストレス量を測った。
妊娠成立から妊娠8週目まで、母親がストレスを受けた時期・期間により、子供のストレス反応に与える影響は変わった。
母親がストレスを受けた時期・期間と子供の性別
母親が妊娠2週目にコルチゾールが高い値であった場合、その子供である男児はパブリックスピーキングに対して大きなストレスを感じ、コルチゾール値が高くなった。一方、女児に関しては影響なかった。
妊娠5週目の時点で母親のコルチゾール値が高い場合、女児は新学校生活の開始に伴うストレスが高く、コルチゾールが増加した。男児には関係性が認められなかった。
また、妊娠5週の期間中、母親がストレスを感じると、男児・女児ともに、パブリックスピーキング、新学校生活に対するストレスが大きくなると報告される。
研究チームは、生物学的メカニズムは不明であると述べつつ、妊娠成立から妊娠8週は母から子へ遺伝子、環境・文化的要素が引き継がれる時期であり、母親のストレス量が子供のストレス反応に影響を与えると推測する。
(画像はPixabayより)

SFU
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