着床前診断と次世代シーケンシングの組み合わせ
バルセロナ自治大学の研究チームは、「PLoS ONE」にて、着床前診断(PGT)に次世代シーケンシングプラットフォームを組み合わせることにより、受精卵の遺伝子4800以上に対して染色体の構造的異常、数的異常を特定できると発表した。
今回の臨床試験は世界初の試みであり、ダブルファクター着床前遺伝子検査(DT-PGT)に「TruSight Oneシーケンスパネル」(単性・遺伝性疾患に関与する4800以上の遺伝子をカバーする遺伝子パネル) を導入した。
着床前診断の発展へ
研究チームは、体外受精における受精卵の提供を受け、ダブルファクター着床前遺伝子検査を実施した。また、カタルーニャの血液・組織バンクより協力を得て、次世代シーケンシング(NGS)を用いて血液・組織を分析した。
新たな診断方法では、DNAに加えて、血液・組織が診断指標となる。診断結果の告知レベルに応じて突然変異・異常を直接的、間接的いずれにて診断可能であるという。
同大学のホアキマ・ナバーロ(Joaquima Navarro)氏は、次世代シーケンシングを着床前診断に活用することは革新的・普遍的であり、体外受精において、受精卵の遺伝子突然変異、染色体変化を同時に診断できると述べ、新たな診断方法が遺伝性疾患をもつ家族にとって有益であると考える。
また、今回の試みが着床前診断の発展につながると強調する。
(画像はプレスリリースより)

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