てんかん女性の妊産婦死亡率
オーフス大学(デンマーク)の研究チームは、「Neurology」にて、てんかん女性が妊娠した場合、てんかん発作により妊産婦死亡率は5倍増になると発表した。
同大学のヤコブ・クリステンセン(Jakob Christensen)准教授は、てんかん女性の死亡要因は全て発作であり、妊娠期のてんかん発作を防ぐことで死亡率は減少すると述べている。
それゆえ、妊娠中の服薬指導・治療、モニター機器による抗てんかん薬の血中濃度測定にて、てんかん発作が生じる状況を回避し、発作を防ぐ医療的管理が求められると強調する。
なお、妊産婦死亡とは、妊娠中または妊娠終了後42日未満の死亡と定義されている。
妊産婦死亡率が高くなる背景
てんかん患者は、良好な健康状態の同年代と比べ、死亡率が高いといわれる。出産適齢期のてんかん女性における死亡率は15倍である。
クリステンセン准教授は、一般人口に比べて、てんかん患者の死亡率は高いことにより、妊産婦死亡率が高まる側面もあると指摘する。
症状を考慮した妊娠管理の必要性
研究チームは、2000年から2013年に掛けて、妊娠した女性2110084人(てんかん11976人、0.6%)を対象に、妊産婦死亡率について検証した。被験者のうち176人が妊娠中に亡くなったが、5人に1人はてんかん女性であったと報告されている。
絶対リスク(有害なイベントが発生する確率)は低いものの、てんかんの症状を考慮した妊娠管理が求められる。
(画像はPixabayより)

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