妊娠期における母親の体重が与える影響
ヘルシンキ大学の研究チームは、「Pediatric Research」にて、妊娠期において母親が過剰体重、あるいは肥満である場合、誕生した子供の自動調整・調節、自律神経に悪影響を及ぼすと発表した。
論文主著者であり、ポリーナ・ギルチェンコ(Polina Girchenko)氏は、妊娠期における母親の体重により、新生児期から生後1年間、過剰に泣く、母乳・ミルクを飲まない、寝かし付けに時間が掛かるなど子供の自律神経に問題が生じると説明する。また、成長が「発達の目安」より遅れると述べている。
成長に伴い、多動性、活発性過度、集中力低下、注意力散漫・注意欠如、筋力低下、学力・知能低下など行動障害や神経発達症を発症する可能性も高まる。
妊娠期の体重と子供への健康影響における関係性
研究チームは、「Prediction and Prevention of Pre-eclampsia and Intrauterine Growth Restriction(PREDO)」よりフィンランド居住の女性3117人を対象に、妊娠初期の体重と子供への健康影響における関係性を検証した。
被験者は、2006年から2010年に掛けて子供を出産した。調査では、妊娠初期の体重、高血圧と妊娠糖尿病の有無に関するデータを用いた。また、産後3ヶ月後には、母親に対して、子供の様子、成長程度について聴取した。子供の成長に関する追跡調査は2011年から2012年に掛けて実施された。
今回の調査では、過剰体重あるいは肥満の女性は帝王切開分娩の傾向が強く、多くは第三次教育(大学、職業専門教育)が乏しく、妊娠判明まで喫煙していた。
生後17日目にして、子供の行動・態度に問題が見受けられ、22%に自律神経的な問題が認められた。研究チームは、妊娠期における母親の体重と子供の自律神経的な問題において関係性があると結論付けている。なお、妊娠高血圧、妊娠糖尿病は、子供の自律神経に影響を与えないとしている。
(画像はPixabayより)

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