早産児と眼科疾患
ヨーテボリ大学サルグレンスカ・アカデミー(スウェーデン)、ハーバード大学医学部の研究チームは、「JCI Insight」にて、マウスを用いた動物モデル実験より、早産児で血中の血小板が少ない場合、未熟児網膜症(ROP)の発症リスクが高まり、症状の重症度が増すと発表した。
また、マウスに血小板を注入すると、網膜血管における病変の進行が軽減できたと報告されている。
未熟児網膜症とは、早産児(在胎28週未満)や未熟児の眼科疾患である。眼の網膜血管に病変が発症し、症状の悪化に伴い増殖性変化が生じる。症状が重症化すると網膜剥離を併発し失明に至る。
血中成分の不均衡
血小板が少ない幼いマウスでは、抗体によって、網膜血管の発症した病変の進行が30%増となった。一方、大人のマウスより血小板を注入した場合、病変の進行は19%減となった。
血小板は血液の細胞成分の一種であり、血管を発達させる要素を含む。しかしながら、早産児や未熟児は、感染症の感染を防ぐために血液中の血小板が多く消費される。
ヨーテボリ大学のアン・ヘルストリョーム(Ann Hellstrom)教授は、早産児や未熟児では血中成分の均衡が崩れ、組織において病変が発症しやすくなり、未熟児網膜症の発症リスクが高まると説明する。
(画像はプレスリリースより)

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