母親のトラウマと胎児への影響
マウントサイナイ医科大学の研究チームは、「Journal of Pediatrics」にて、過去の経験に対するトラウマ(心的外傷)が胎児の成長に否定的影響を与えると発表した。
妊娠期の女性が過去の経験に対してトラウマを抱えている場合、妊娠後期において、ストレスホルモンであるコレチゾールの分泌量が増加し、男児の体重が平均38g軽くなった。
一方、妊娠後期のストレスと女児の成長における関係性は認められなかった。在胎期間、男児は、女児以上に、妊娠期の母親が感じるストレスの影響を受けやすい。
トラウマに伴うストレス反応
研究チームは、妊娠期の女性314人を対象に、生活ストレスチェックリスト(LSC-R)に基づくストレス度評価、コレチゾール測定量(頭髪より測定)に関するデータを用いて、母親のトラウマと胎児への影響における関係性を検証した。
妊娠前に経験した事象に対するトラウマは、メカニズムは不明であるが、ストレス反応やコレチゾール分泌に関わる制御システムに影響することが確認された。トラウマによる制御システムへの影響は、妊娠後も続き、コレチゾール分泌量は増加し、男児の体重に否定的影響を与える。
研究チームは、妊娠前の心身状態が、妊娠期の胎児に影響すると結論付けている。
(画像はPixabayより)

Mount Sinai
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