フタル酸エステルの曝露
カールスタード大学(スウェーデン)の研究チームは、自宅にてプラスチック製の塩化ビニル床材シート(PVCフローリング床材)を使用している場合、妊娠期において、フタル酸エステル曝露の要因になると指摘した。
フタル酸エステルは可塑性物質であり、プラスチック製品、パーソナルケア製品、フレグランスなどの香料、製薬、衣類、建築材料と幅広く利用されている。
塩化ビニル床材シートの床と妊娠期の曝露
研究チームは、約2000組の母子を対象にキッチン・寝室に使用されている床材の素材を聞き取り、フタル酸エステルなど内分泌撹乱物質の曝露と子供の健康影響における関係性を検証した。調査は、妊娠初期から就学前まで実施された。
キッチン・寝室の床に塩化ビニル床材シートを使用した住宅にて、妊娠期を過ごした女性は、木材、リノリウムの床に比べ、尿中フタル酸エステル3種類(DBP、BBzP、DEHP)の代謝物質量が顕著に多く認められた。また、床に使用される塩化ビニル床材シート量、妊娠期の女性における尿中フタル酸エステル量は相関関係にあった。
研究チームは、フタル酸エステルが子供の成長・発達に否定的影響を与えると報告している。近年、欧州諸国をはじめ、塩化ビニル床材シートに使用される化学物質は、健康影響を考慮した物質を使用される傾向にある。
(画像はプレスリリースより)

KARLSTAD UNIVERSITY
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