妊娠期の体重増加と医療的介入
アメリカ国立衛生研究所(NIH)は、「Obesity」にて、過剰体重あるいは肥満の女性において、食事や運動での医療的介入により、妊娠期の体重増加を安全に制限できると発表した。
論文主著者であり、ノースウェスタン大学メディカルスクールのアラン・ピースマン(Alan Peaceman)博士は、妊娠により女性は行動様式が変化し、妊娠期における安全な体重増加制限は有益であると述べている。
しかしながら、妊娠中期以降では、体重増加を制限できても妊娠合併症(帝王切開、肥満、高血圧、子癇前症など)のリスクが軽減されるわけではないと指摘する。
妊娠合併症のリスクを軽減するには、妊活中に、食事、運動など生活様式を健全に改善する必要があると強調する。
医療的介入により管理を
研究チームは7チームに分かれ、「the LIFE-Mom trials」 より女性1150人(生活介入579人、標準治療571人)を対象に、妊娠中期から出産までの生活様式を調査した。
なお、被験者全てに対して、食事内容の改善、摂取カロリーの低下、運動量の増加が目的であった。過剰体重、肥満の女性は妊娠期の体重増加目安・基準範囲を超過しやすく、母子の健康に悪影響を与える。
生活介入があった被験者グループでは、62%が米国医学研究所による妊娠期の体重増加基準を超過した(標準治療グループは75%)。米国医学研究所では、妊娠期の理想的な体重増加を標準体重25~35ポンド、過剰体重15~25ポンド、肥満11~20ポンドと定めている。
今回は、被験者の大半が妊娠期における体重増加基準を上回っているが、医療的介入にて安全に体重増加を制限できることは立証された。
(画像はプレスリリースより)

Northwestern
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