体外受精において過去最高の出産率
オーストラリアの13596医療機関とニュージーランドの1602医療機関にて、2016年に体外受精を行い、2016年から2017年に誕生した体外受精児は15198人であり、過去40年間で最高の出産率を記録した。
ニューサウスウェールズ大学のマイケル・チャップマン(Michael Chapman)教授は、体外受精サイクル数の増加、胚移植1回あたりの出産率の改善、着床前診断の普及により、過去5年間、体外受精における出生率は向上傾向にあると説明する。
体外受精成功率を向上させた要因
2016年の体外受精サイクル数は81062サイクルであり、前年比4.3%増であった。着床前診断は2012年以降、200%増加した。
胚移植1回あたりの出産率は22.5%(2012年)から26.2%(2016年)へ高まり、なかでも凍結胚移植の出産率は20%(2012年)から27%(2016)年へ増加した。2016年は、体外受精児のうち60%が凍結胚を用いた体外受精であり、凍結胚移植が新鮮胚移植を上回った。
世界における不妊治療の先進国
現在、オーストラリアでは、体外受精において単一胚移植が主流である。単一胚移植は73%(2012年)から88%(2016年)へ増加し、多胎妊娠率は3.8%であり、世界平均以下であると報告されている。
オーストラリア不妊学会の副会長であるルーク・ロンバウツ(Luk Rombauts)教授は、オーストラリアにおける不妊治療では、単一胚移植率が高く、体外受精による多胎妊娠や副作用を最も軽減できると述べている。
また、妊娠タイミングを遅らせる傾向により、単一胚移植が増加していると説明する。体外受精4サイクルのうち1サイクルは40歳以上の女性であり、2016年の平均年齢は36歳であった。
(画像はプレスリリースより)

UNSW
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