新たなPCOSガイドラインの提唱
モナシュ大学のヘレナ・ティーダ(Helena Teede)教授は、71ヶ国71ヶ国37団体・協会の協力を得て、新たなPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)ガイドライン「International Evidence-Based Guideline on Assessment and Management of PCOS」を提唱した。
ガイドライン内容は、「Clinical Endocrinology」「Human Reproduction」「Fertility and Sterility」にて、同時に発表された。
PCOS診断・治療における課題
PCOSは内分泌異常であり、男性ホルモンが過剰に分泌される。生殖機能異常(排卵障害、月経障害、不妊など)、代謝異常、肥満、多毛と多角的に症状が現れる。
ティーダ教授は、現状、根拠に基づき、PCOS診断・治療ガイドラインが定められていない理由より、症状・治療に対する理解度は低く、診断が下るまで2年以上を要する場合も少なくないと指摘する。また、治療は総体的ではなく、生殖能力、妊娠・出産は度外視される傾向にあるという。
健康影響を考慮したガイドライン
ティーダ教授は、71ヶ国37団体・協会にて、PCOS症状における未解明部分の特定に努めた。保健医療やPCOS専門家17人は、モナシュ大学のマリー・ミッソ(Marie Misso)博士と15ヶ月間に20回以上の面会機会を設け、PCOSガイドラインを進展させた。
新たなPCOSガイドラインは診断基準に一貫性があり、診断の精密度が高まる。また、不妊など健康に与える影響を考慮したうえで、治療方針を決定する。
モナシュ大学は、新たなPCOSガイドライン情報を提供するアプリ(言語:英語)の開発を進めている。
(画像はPixabayより)

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