世界初の人工卵巣組織
コペンハーゲン大学病院リイスホスピタルの研究チームは、「34th Annual Meeting of the European Society of Human Reproduction and Embryology(第34回欧州ヒト生殖会議)」にて、世界初となる人工卵巣組織の作製に成功したと発表した。
卵巣は女性の生殖能力・機能において非常に重要な役割を担い、卵胞を維持・成熟させ、卵母細胞を卵子へと成長させる。人工卵巣組織は、卵巣疾患や癌により生殖能力を失い、不妊になった女性にとって有益である。
現状、例えば、卵巣癌の場合、抗癌剤治療前に卵巣から卵子を採取して凍結保存し、癌の治療後に卵巣に戻す方法がとられている。しかしながら、採取した卵子に癌細胞が含まれている可能性もある。
人工骨格の形成過程
研究チームは、癌患者本人の組織、あるいは第三者の組織を用いて、生体外で、生物工学による人工骨格の生成を実現させた。3日間掛けて、卵巣癌患者から採取した卵巣組織より癌細胞を取り除き、基底膜に覆われた無細胞骨格へと変化させた。
基底膜はタンパク質やコラーゲンにて構成され、細胞を支える骨格となる。つまり、人工骨格は初期段階の卵細胞を卵胞(卵母細胞包む球状の細胞集合体)に留め、卵胞内での成熟を促す。
(画像はPixabayより)

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