リチウム曝露と胎児の健康影響
マウントサイナイ医科大学の研究チームは、妊娠初期の母親がリチウムに曝された場合、胎児に先天性形成異常が生じるリスク、新生児再入院率が高まると発表した。
なお、妊娠初期のリチウム曝露と妊娠合併症、子癇前症、妊娠糖尿病、早産、低出生体重児との関連性は認められなかったと報告されている。
胎児に先天性形成異常が生じるリスクと新生児再入院率
研究チームは、先行研究6件(デンマーク、カナダ、オランダ、スウェーデン、イギリス、アメリカ)を用いて、リチウム曝露と出産状況、産後28日以内の新生児再入院率、先天性心臓欠損など先天性形成異常、妊娠合併症における関係性を分析した。双極性障害など気分障害の治療において、リチウムは有効な治療薬といわれる。
妊娠期に気分障害の治療薬を服用した女性727人と妊娠期に双極性障害の治療薬を服用しなかった女性21397人を比較したところ、リチウム曝露がない新生児の再入院率は14.3%であった。一方、妊娠初期にリチウムに曝された新生児における再入院率は27.5%、胎児に先天性形成異常が生じるリスクが1.5倍増になった。
同大学のフェール・ベルギンク(Veerle Bergink)教授は、今回の研究を通して、妊娠初期のリチウム曝露が胎児に与える影響は、先行研究にて報告されていた胎児の健康影響と比べ、小さいことが判明した述べるものの、リチウム曝露の危険性を指摘する。
(画像はPixabayより)

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