妊娠期の母親における三種混合接種
ノースカロライナ大学の研究チームは、「American Journal of Preventive Medicine」にて、妊娠期の母親が三種混合ワクチン(破傷風・ジフテリア・百日咳)を接種することが、子供にとって有益であると発表した。
特に、百日咳は深刻な呼吸器感染症であり、乳幼児は重症化しやすく、死に至る場合もある。
アメリカにおける妊娠期のワクチン接種事情
2000年以降、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、子供に対して、DPTあるいはDTaP(小児を対象とした破傷風・ジフテリア・百日咳ワクチン) の7回接種(生後2・4・6・15~18ヶ月、4~6歳、11歳以降)を標準と定めている。
また、2013年より、胎児の免疫を引き継ぐ目的にて、妊娠期の女性がTdap(思春期以後を対象とした破傷風・ジフテリア・百日咳ワクチン)を接種することを推奨している。
妊娠期に三種混合を接種する効果
研究チームは、2010年から2014年に掛けて、妊娠中の女性675000人以上を対象に、診療報酬明細書より妊娠期のTdap接種状況、18ヶ月以下の乳幼児におけるワクチン接種有無を調査した。
母親が妊娠期にTdapを接種した場合、誕生した子供にワクチンの免疫が引き継がれ、生後6ヶ月までは百日咳の抗体があることが認められた。また、乳幼児における百日咳の発症率が45%減となり、重症化による入院率は75%減少したと報告される。
同大学のシルビア・ベッカー・ドレップス(Sylvia Becker-Dreps)准教授は、特に、妊娠後期、出産予定日2週間前のTdap接種が最も効果的であり、子供における百日咳の免疫・抗体のワクチン持続期間は最長になると強調する。
(画像はPixabayより)

UNC SCHOOL of MEDICINE
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