妊娠期の食生活による影響
KK Women's and Children's Hospital(シンガポール)の研究チームは、「Nutrients」にて、妊娠期に夜19時以降に質の低い食事を摂っていた女性は、産後18ヶ月後に体重増加5kg以上である確率が3倍以上であると発表した。
産後1年後の体重増加は、産後15年後でさえもBMI値を高める要因になる。産後、妊娠に伴い増加した体重が戻らない状態は、妊娠・出産以外のライフステージにおける体重増加よりも有害であるといわれる。
また、妊娠にて増えた体脂肪は腹部に内臓脂肪として蓄積され、母親の生涯に亘る健康(メタボリック症候群、心血管疾患など)や次の妊娠、更には子供の健康に影響する。
夜の食事時間帯、質の低い食事内容と産後の体重増加における関係性
研究チームは、多民族のアジア人の女性を対象に大規模な出生前コホート研究「GUSTO」を実施した。主に、夜の食事時間帯、質の低い食事内容は体重増加と因果関係にあるが、質の低い食事を夜に摂ることにより、産後の大幅な体重増加を招き、産後18ヶ月が経過しても増加体重が戻らない傾向が高いと報告された。
調査対象のうち16%(687人)は、産後18ヶ月の段階にて5kg以上の体重増加が認められた。また、食事の質を高めた夜食を摂った場合、食事の質が低い夜食と比べ、産後の体重増加と強い関連性があったが、更なる研究の余地を残す。
研究チームは、実質的に産後の体重を維持するうえで、夜間の食事は、質の低い食事内容と比べ、よりダメージを与える可能性があると示唆する。身体システムは、日中および夜間の休息中に摂取した食事を代謝する。
それゆえ、夜間に日中より多くのカロリーを摂取する場合、肝臓・胃・膵臓・脂肪組織などの器官における代謝リズムの崩壊によって身体の自然な体内時計と一致せず、結果、エネルギー代謝が崩れる。夜間のカロリー摂取量が多くなると、就寝時間が遅くなり、過剰体重および肥満を招く。
(画像はKK Women's and Children's Hospitalより)

KK Women's and Children's Hospital
https://www.kkh.com.sg/