在胎不当過小が生殖機能に与える影響
オーフス大学とコペンハーゲン大学(共にデンマーク)の研究チームは、「Human Reproduction」(12月13日発刊)にて、在胎不当過小(SGA)で低出生体重にて誕生した男性は、標準体格かつ満期産で誕生した男性と比べ、男性不妊リスクが55%から85%高くなると報告した。
例えば、妊娠40週にて誕生した場合、出生体重は2500gから4500gが適正とされる。在胎不当過小(成熟異常・子宮内胎児発育不全)は、在胎期間の体格が標準より相当小さく誕生した状態を指す。
出生体重・身長および在胎期間ごとの出生時体格標準値と比較し、10パーセンタイル(100人中小さいほうから10番目)未満であると、在胎不当過小となる。
在胎不当過小と不妊における関係性
先行研究より、在胎不当過小にて誕生した男児は、標準体格にて誕生した男性と比べ、尿道下裂などの先天性奇形が2倍から3倍増になると報告されている。
研究チームは、1984年から1987年に掛けて、デンマークの2都市(オールボー、オーデンセ)にて誕生した男性約5600人、女性約5300人を対象に、出生時期と出生体重・身長、不妊治療の有無などを調査した。
調査は2017年末まで実施され、被験者の母親は、妊娠期に関するアンケート調査(年齢、喫煙の有無、ライフスタイル、健康状態、BMI値など)に回答した。
調査結果より、在胎不当過小で誕生した男性は、正期産かつ適正体重にて誕生した男性と比べ、男性不妊リスクが55%増になった。在胎不当過小である場合、尿道下裂と停留精巣リスクが高まり、その影響により男性不妊になる可能性が増すと結論付けられる。一方、女性には、在胎不当過小と不妊における関係性は確認されなかった。
(画像はHuman Reproductionより)

NEWS MEDICAL
https://www.news-medical.net/Human Reproduction
https://academic.oup.com/