周産期心筋症の早期治療による効果
ペンシルベニア大学医学部の研究チームは、「Hypertension」にて、妊娠期に周産期心筋症(PPCM)と早期診断された女性は、妊娠後期の診断と比べ、妊娠後期あるいは出産1ヶ月前に心機能が回復し、分娩状態が改善されると発表した。
周産期心筋症(産褥心筋症)とは、心臓病のなかった女性が妊娠・出産に伴い、突然、心機能が低下し、心不全を発症する疾患である。妊娠高血圧症候群(HDP)や子癇前症は、周産期心筋症と因果関係があり、強い危険因子であるといわれる。
妊娠高血圧症候群と診断タイミングによる影響
研究チームは、周産期心筋症と診断された女性220人を対象に、妊娠高血圧症候群と診断タイミングによる影響について検証した。
妊娠高血圧症候群の女性は出産直後に周産期心筋症と診断されたが、妊娠高血圧症候群と周産期心筋症では、左室駆出率(LVEF)が近い数値であった。また、産後1ヶ月以上経過後に周産期心筋症の診断を受けた女性は、それ以前に診断を受けた場合と比べ、心機能回復率が顕著に低くなった。
人種による相違
研究チームは、心不全症状に対する認識を高め、検査する必要性を強調する。また、周産期心筋症の発症リスクは人種による相違があると報告された。平均して、黒人は、白人と比べ、妊娠後期に周産期心筋症の発症リスクが増すと報告された。
人種による相違は、周産期心筋症の発症リスクだけでなく、診断タイミング、心機能の最低値まで影響する。それゆえ、早期診断・治療は深刻な症状を防ぎ、妊娠に対する影響を軽減させる。
(画像はプレスリリースより)

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