なぜ精子にだけ細胞崩壊が起こるのか
東京歯科大学市川総合病院の精子研究チームによる共同執筆コラム「精子に隠された『不都合な真実』」(yomiDr.で連載中)が、2019年11月4日に更新された。
今回のテーマは「ヒト精子性悪説」。「精子が先、不妊治療モデル」を提唱する理由について説明している。
人体には精巣(精子)を免疫細胞から隔離する「免疫特権」と呼ばれる仕組みがあり、そのため造精機能障害が悪化して細胞崩壊を起こした精子も免疫細胞のチェックをすりぬけて精液の中に出てきてしまうという。記事では、だれがみても異常がはっきりわかる造精機能障害悪化の精液や精子の写真も掲載されている。
顕微授精でも妊娠がむずかしいケースもある
記事では造精機能の状態を第1(避妊しなければ妊娠する)、第2(選別すれば頭部が楕円形の運動精子が得られる)、第3(選別を検討するレベルではない重度の造精機能障害)に分類。
顕微授精は第1、第2のケースを対象としたものであって、第3に該当するケースの場合、正常な精子がほとんどない精液の中から「比較的まし」なものを選別するしかないという。
記事では、精子の状態がどこまで悪くなったら治療を中止するのか議論すべきであること、治療者側と患者側双方が精子精密検査の情報を共有することの重要性を訴えている。
(画像はyomiDr.より)
(画像は東京歯科大学市川総合病院公式サイトより)

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