基本的な子癇前症の治療法
東フィンランド大学の研究チームは、「British Journal of Clinical Pharmacology」にて、子癇前症(しかんぜんしょう:妊娠期における高血圧や尿蛋白)の治療では、妊娠期であっても投薬使用が一般的であると発表した。
妊娠期の投薬使用は、母親および胎児の健康を良好に保つうえで不可欠であるが、胎児は、化学薬品の影響に対して、非常に繊細な反応をする。それゆえ、妊娠期の母親は、使用する薬剤を注意深く選ぶ必要があるという。
子癇前症に対する投薬治療と投薬治療による効果
研究チームは、2002年から2016年に掛けて、クオピオ大学病院で出産した女性約36000人(子癇前症1252人を含む)を対象に、子癇前症に対する投薬治療、投薬治療による効果を検証した。
被験者の2人に1人は、妊娠期に最低1回の服薬があった。最も投薬されたのは抗生物質であり、血圧降下剤、パラセタモール(アセトアミノフェン)と次いだ。一方、子癇前症の女性は、子癇前症の症状がない女性と比べ、薬の使用は多く、ベンゾジアゼピン、パラセタモール、血圧降下剤、酸抑制薬の使用頻度が顕著に増加した。
子癇前症の治療において、パラセタモールの効果は明確であったが、ベンゾジアゼピン、血圧降下剤、酸抑制薬と子癇前症には逆の因果関係(原因と思われていた事象が実は結果、結果であると思われていた事象が実は原因である状態)が成立すると推測された。
(画像はプレスリリースより)

BRITISH PHARMACOLOGICAL SOCIETY
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