大気汚染曝露が妊娠に与える影響
北京師範大学など中国の大学による研究チームは、「Nature Sustainability」にて、大気汚染に晒されることにより、稽留流産リスクが増すと発表した。
流産のうち、50%から65%は遺伝的異常が要因であるといわれる。また、流産の他要因には、炎症反応、自己免疫、妊娠期の母親の喫煙が含まれる。稽留流産では、出血や腹痛など母体に流産の徴候がない。兆候はないものの、子宮内にて胎児の発育は停止している。
大気汚染と流産の強い因果関係
これまで、先行研究では、大気汚染曝露が胎児の成長に対して悪影響を及ぼすと報告されている。大気汚染曝露によって、早産、子癇前症(しかんぜんしょう:妊娠期における高血圧や尿蛋白)などの妊娠合併症、低出産体重、妊娠高血圧のリスクが高まると立証されている。
先行研究を受け、研究チームは、2009年から2017年に掛けて、中国・北京の妊婦25万人を対象に、大気汚染と流産の因果関係を検証した。
研究を通して、39歳以上で肉体労働に従事する女性において、妊娠期の大気汚染曝露と流産リスクは強い因果関係があると認められた。一概には言えないが、大気汚染濃度に伴い、稽留流産リスクは深刻化するという。
それゆえ、研究チームは、妊娠期の女性に対して、大気汚染から母子の健康を守るように強調する。
(画像はPixabayより)

Nature Sustainability
https://www.nature.com/articles/s41893-019-0387-yNEWS MEDICAL
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