簡単かつ低コストで子癇前症の診断
エディスコーワン大学(オーストラリア)の研究チームは、「EPMA Journal」にて、血液検査と健康アンケート調査の併用により、簡単かつ低コストにて子癇前症の診断が可能になると発表した。
子癇前症は、妊娠に伴い母親の血圧が上昇する。胎盤の機能、母親の血管が変化することにより生じ、母子共に合併症のリスクが高まる。母親は心臓発作、肝障害、腎障害、胎児は発育不全などを引き起こし、母子の命をも脅かす。
血液検査と健康アンケート調査の併用
研究チームは、妊娠しているガーナの女性593人を対象に、健康調査「The Suboptimal Health Questionnaire」を実施し、健康状態を評価した。
「The Suboptimal Health Questionnaire」は、2009年に同大学保健医療科学部のウェイ・ウォン(Wei Wang)教授が開発した。疲労、心臓の健康、消化、免疫、メンタルヘルスをスコア化し、準最適・最適下限の総合スコアを割り出す。準最適・最適下限の総合スコアより、慢性疾患を予測する。
総合スコアの高い女性61%は、総合スコアが低い女性17%と比べ、子癇前症を発症していた。研究チームは、血液検査によるカルシウム・マグネシウム値の測定に併用して、「The Suboptimal Health Questionnaire」を実施することにより、約80%の場合、子癇前症の発症を確実に診断できると報告した。
(画像はプレスリリースより)

ECU
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