トランス脂肪酸が精子数を減少させる?
マーガリンや菓子類、ファストフードなどの、身近な食品に使われているトランス脂肪酸の摂取量が、男性の総精子数と関連があることがわかった。
これまででは、スペインの研究で、精子の質の低下傾向が見られた同じ期間中に、脂肪として消費されたカロリー比率の増加が見られた研究結果がある。また、マウスを対象に行われた研究では、トランス脂肪酸の摂取が、精巣機能に影響を与えるが示唆されていた。
この研究は、アメリカのハーバード公衆衛生大学院が行った。2010年10月から2011年11月の期間に募られた、18歳から23歳の健康な男性209名を対象に、精子のサンプルと食品摂取頻度調査から、脂肪酸の摂取状況と、精子の濃度、運動性、形態と総精子数について、多変量回帰分析によって解析を行った。
その結果によると、トランス脂肪酸の摂取量と総精子数に、逆比例の関係が見られた。また、コレステロールの摂取量と精子の射出量にもまた、逆比例の関係が見られた。
食生活はいつでも改善可能、日頃から意識を
これまでの不妊治療患者を対象にした研究でも、トランス脂肪酸の摂取量が、精子の質の低下に関連していることが示唆されていた。
食生活は、男性不妊に影響を与える要因として大きいものの、改善可能なことが挙げられている。
アメリカの食品医薬品庁(FDA)は、食品におけるトランス脂肪酸の使用規制を、強化する方向へ進めている。日本では表示義務がないため、個人で判断することが必要だ。健康的な食生活を心がけたい。

Human Reproduction
http://humrep.oxfordjournals.org/