病気に気づくのはいつも突然、がんと不妊がわかったら
アメリカ ニューヨーク市にある、がんの治療と研究を行う「メモリアル スローン-ケタリング がんセンター(MSKCC)」で、がん治療が予定されていた男性が、有効な精子回収術を受けた結果について、コホート研究が行われた。
射精障害、非閉塞性の無精子症、重度の精子減少症をもつ男性患者に、がん治療を行う前に、精子の凍結保存を目的に、電気刺激射精(EEJ)と精巣精子回収(TESE)による不妊治療を行った結果を分析した。
対象となった男性は49名で、不妊症患者の他、宗教や文化的な理由で精液採取が困難なため、精子回収術を受けた患者も含まれる。
結果によると、全体では59%の男性、青年・若年層では60%の男性で、凍結保存用の精子が回収された。青年層の60%で、電気刺激射精による精子回収は成功した。精巣精子回収を受けた青年・若年層全体で、33%が凍結保存用の精子が回収された。合併症の報告はなかった。
化学療法が必要な全ての患者で、予定された化学療法は遅延なく開始された。また、精子回収術が行われた日に、開始された頻度も高かった。
がんも不妊症も、早期発見が重要
結論として、電気刺激射精、精巣精子回収ともに、少年または若年男性の、精液採取が不可能な患者、非閉塞性無精子症の患者に対して、がん治療の直前も安全かつ成功率の高い不妊治療方法であることが示されている。
がんも不妊症も、治療を受けるのが早いほど効果も高い。早期発見のためには、定期的な検診を習慣にしたい。

Fertility and Sterility
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