染色体異常の一つである染色体異数性についての研究
アメリカのラトガース大学の研究で、女性の年齢と、胚の染色体異数性有病率との関係について、分析が行われた。染色体異数性は染色体異常の一つで、流産やダウン症候群などの先天性障害の原因も含まれる。
この研究では、総合的な染色体スクリーニングが行われた15,169の栄養外胚葉の生体検査結果を対象に、女性の出産年齢が、胚の異数性の有病率、正倍数性の胚がない(全てが異常胚である)確率、染色体の組数による異数性の複雑さ、トリソミー(三染色体性)/モノソミー(一染色体性)の比率の、各項目に与える影響について分析が行われた。
その結果によると、異数性は、予測通り26歳から増加した。また、23歳以下の女性で、40%より大きい確率で異数性が見られ、若年層からもわずかに有病率の増加が見られた。全てが異常胚である確率は、26歳から37歳で2%~6%と最も低く、42歳で33%、44歳で53%となった。
生体検査で異数性が見られた染色体の組数は、64%が1組、20%が2組、16%が3組となっており、加齢につれてより複雑な異数性が見られることが示された。トリソミー/モノソミーの比率は1に近似しており、加齢につれてわずかに増加した。
出産の適齢期は、26歳から30歳の間?
この研究結果から、胚の異数性のリスクが最も低い年齢層は、26歳から30歳であると述べられている。26歳未満の年齢層、30歳より上の年齢層ともに、より高い確率で異数性が見られ、より複雑な異数性をもつリスクも増加した。43歳以上では、全体的なリスクの変化は見られなかった。トリソミーとモノソミーは、全ての年齢でほぼ同じ有病率だった。
加齢につれて、焦ってしまいがちな妊娠や不妊治療だが、若年での妊娠にもリスクがあることが考えられる。ストレスのない妊活のためにも、焦らない人生設計を考えたい。

Fertility and Sterility
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