男性の加齢と、夫婦間の生殖能力の減少に関連
アメリカのNICHD(National Institute of Child Health and Human Development:国立小児保健発育研究所)のLIFE(Longitudinal Investigation of Fertility and the Environment:妊娠環境長期調査)の研究によると、男性の年齢があがるにつれて、夫婦間の生殖能力が減少することがわかった。
LIFEは、環境ホルモン・生活習慣・生殖能力と妊娠の関係について研究を行うNICHDの部門だ。主に、不妊症や妊娠損失、夫婦間の生殖能力についての研究で成果をあげている。この研究論文は、科学ジャーナル「Fertility & Sterility(妊娠と不妊)」で発表された。
ミシガン州とテキサス州の16地域で、1年間の不妊がある501組の夫婦を対象にこの研究は行われた。妊娠するまでの期間を夫婦間の生殖能力として長期にわたって測定し、精子の質とその要因の関連性について、コホート分析された。501組のうち、94%の男性から精子1サンプル、80%の男性から精子2サンプルが提供された。
分析結果によると、精子運動率、厳格な規格による精子形態、精子頭部の幅、伸長因子、アクロソーム部といった精子の質要因が、妊娠するまでの期間が短くなることと関連していた。定まらない精子形態、丸い精子頭部、精子中間部の異常が、妊娠するまでの期間が長くなることと関連していた。
また、男性の年齢が、妊娠するまでの期間が長くなることに一貫して関連しており、夫婦間の生殖能力が減少することがわかった。BMI値に関しては、女性のみ、妊娠するまでの期間が長くなる関連がみられた。
妊娠には男性女性ともに年齢が重要
男性不妊の原因には、精子の質の低下だけでなく、女性と同様に年齢にも影響されるようだ。お互いのパートナーと共に、できるだけ早く妊娠について考えてみるきっかけとなることを願う。

Fertility & Sterility
http://www.fertstert.org/