不妊治療中の女性に卵子提供についてアンケート
日比野由利金沢大学医薬保健研究域医学系助教を中心とするグループが、今夏に全国の特定不妊治療施設70カ所の協力を得て「卵子提供に関する不妊当事者の意識調査」を行ったところ、不妊治療で別の女性から卵子の提供を受け子どもを産んだ場合、「その事実を伝えるべき」と考えている女性が18%しかいなかったことが分かった。NHKの6日付のニュースが報じた。
同グループは、今春、全国の不妊治療中の女性740人を対象に、別の女性から卵子の提供を受けて妊娠を試みる卵子提供についてアンケート調査を行ったそうで、このうち卵子提供を受ける可能性があると答えた305人に子どもに卵子提供の事実を伝えるべきか聞いたところ、「伝えるべきだ」と答えた人は60人弱の18%にとどまり、「伝える必要はない」と答えた人(41%)の半数以下にとどまったという。
告知しやすい環境整備が先決
「伝えるべきではない」と答えた人の中で、最も多かった理由は「子どもがショックを受けるのではないかと不安だ」という意見だったそうだ。
グループでは「配偶子提供について告知を義務づけるのは時期尚早だが、告知しやすいようにカウンセリングやサポート体制を充実させることが先決すべき課題だ」と指摘している。

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