イントラリピッド・インフュージョンで妊娠体質?
皆さんは、「Intralipid infusion(イントラリピッド・インフュージョン)」という言葉を聞いたことはあるだろうか?
これは、イギリスの一部のクリニックで行われている卵を使った不妊治療法の名称だ。不妊治療中の女性たちが集うサイトで、「卵を食べて妊娠した」という情報が流れたことがきっかけで、研究員たちが調査を行った結果、卵で妊娠した理由が明らかになり、卵黄を使った不妊治療法が生み出されたというのだ。英国のThe Daily Mail(デイリー・メール)が報じている。
卵は卵黄と卵白で構成されているが、このうち卵黄には「イントラリピッド」という成分が含まれ、免疫力を「正常」に戻す働きがあると見られている。
本来、免疫力が強いと、ウィルスなどが身体に侵入するのを阻止してくれるはずだが、免疫力が異常に高い場合は、少し状況が違って、排除されるべきではない「精子」までが身体の害として、卵子にたどり着く前に排除されてしまうそうだ。身を守るための免疫が、不妊の原因になっていたというのだから、まさに驚くべき事実といえよう。
実際、不妊症で悩んでいる女性は、免疫力が異常に高い人が多いそうで、免疫の異常とは知らず、高額な不妊治療を行っている女性もいるそうだ。免疫力が異常に高いといっても、どこか体調が悪くなるわけでもないので、気付けないのも無理はない。
イントラリピッド療法で半分以上の女性が妊娠
英国ノッティンガムの不妊治療センターのGeorge Ndukwe(ジョージ・ドゥクウェ)医師が、英国の不妊学会会議で発表した2011年に行った実験結果によると、不妊治療を6回失敗している女性たち50人を対象に、卵黄を使った料理と大豆油を合わせて食べる「イントラリピッド」を使った治療を実施したところ、半分以上の女性が妊娠するという素晴らしい結果が得られたという。
この結果から、卵黄を使った料理と大豆油を合わせて食べることで、細胞膜が正常に戻り、強すぎる免疫力にも打ち勝つような身体が作られたと考えられている。
イントラリピッドを使った新しい治療法については、今後、さらなる研究が必要だと言われているが、妊娠をあきらめかけている女性たちにとって、嬉しい知らせであることは間違いない。

The Daily Mail
http://www.dailymail.co.uk/