男性不妊症専門医が提唱する精子力を高める7カ条
「射精障害」など現代特有の男性不妊症のパイオニアで、無精子症に対する最先端治療MD-TESE(顕微鏡下精巣内精子採取術)において、日本で最も症例数が多い男性不妊専門の泌尿器科医、岡田弘医師(医学博士、獨協医科大学越谷病院泌尿器科主任教授)が、オフィシャルブログで、精子力を高める7カ条を挙げている。
岡田医師が掲げる7カ条は
「禁煙すべし」「禁欲するなかれ」「ぴっちり下着は避けるべし」「サウナ、長風呂は控えるべし」「ひざ上でのパソコン操作に注意すべし」「自転車で股間を刺激するなかれ」「育毛剤に気をつけるべし」。どの項目も日常生活に関する事柄ばかりで、ちょっとした注意さえ払えば、誰にでも実行できそうな項目だ。
7カ条の医学的な理由を見てみると、「禁煙すべし」については、喫煙者の男性にとっては、禁煙をすることはなかなか難しいことかもしれないが、喫煙はED(勃起不全)を招くだけでなく、精子の数や運動性のいい精子が減る上に、酸化ストレスで精子のDNAも損傷する恐れがあるそうだ。
「禁欲するなかれ」では、不妊治療を進める中で、医師によっては禁欲を勧めてくるケースもあるようだが、岡田医師の考えは真逆で、禁欲を続けると、精子のDNA損傷率が高くなる傾向があり、古い精子がたまって、精液全体の質を下げてしまうことから、積極的なセックスを呼びかけている。
精子は35度が理想
「ぴっちり下着は避けるべし」「サウナ、長風呂は控えるべし」「ひざ上でのパソコン操作に注意すべし」については、精子は熱に弱く35度くらいが理想とされていることから、睾丸(精巣)に熱がこもりやすいタイトな下着や洋服の着用を避けるよう呼びかけている。股間を高熱にさらすサウナや長風呂はもちろんのことだが、高熱とまでいかなくても、ひざ上のパソコン使用は、股間が熱を帯びる可能性があるため、控えるように勧めている。
「自転車で股間を刺激するなかれ」については、前傾姿勢になるスポーツタイプのロードレーサーなどに長時間かつ頻繁に乗ると、サドルが会陰(ペニスの付け根と股間のあいだ)に当たって、男性器付近の血行を悪くする恐れがあり、EDや精子の減少、運動率の低下を引き起こす可能性があるとのことだ。
最後に「育毛剤に気をつけるべし」では、AGA(男性型脱毛症)の治療薬のうち、フィナステリドを主成分とする治療薬に、男性ホルモンの作用を抑える働きがあるそうで、抜け毛と一緒に男性ホルモンの働きも抑制されてしまうという。また、性欲減退や精子数の減少、EDなどの副作用も考えられるため、子どもが欲しいなら、このタイプの育毛剤を避けるのが無難というわけだ。
最近では、エコで健康的な意味合いから、通勤に自転車を利用する「自転車ツーキニスト」と呼ばれる人々も数多く出現しているが、不妊治療を受けている男性は特に、男性器付近の血行不良を引き起こすようなハード過ぎる自転車の乗り方は避けなくてはいけないだろう。

オフィシャルサイト「Dr.岡田の男性不妊バイブル」
http://www.maleinfertility.jp/