小児がんによる後遺症
小児がんに対する治療法として、骨髄移植や化学療法などがある。それらの治療の影響で、低身長や不妊、記憶力低下などの後遺症「晩期合併症」を抱えている人が多くいることが25日、厚生労働省研究班の調査で分かった。
このような調査が行われるのは初めてのことで、これまで全く注目されてこなかった問題がやっと浮き彫りになったというところだろう。
更に後遺症の影響で、自立や就労の障害になるケースも多く、研究班は更なる実態調査に向けて、個別のインタビューを行うという。
小児がん経験者の苦悩
今回の調査は、2012年7〜8月に実施された。小児がん経験者ら約600人(平均年齢24歳)にアンケート用紙を送付し、239人が回答。そのうちの112人が晩期合併症があると答えている。
また、アンケート以外の自由記述欄には「合併症のために就職できなかった」「低身長のために就職先を辞めることになった」「健常者の7割の給料で働いている」などの書き込みが見られ、その苦悩が伺えた。
これらは、小児がん、また晩期合併症に対する社会的な理解のなさが原因とみられており、専門家は「行政による就労支援が必要だ」と指摘している。
50年ほど前までは、不治の病とされてきた小児がん。そのため、晩期合併症が起きるという事実が確認されていなかった。国によるケアが求められている。

厚生労働省
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