排卵誘発剤とがんの関係は見られず
不妊治療で使われる、排卵誘発剤はこれまでの間、婦人科系のがんのリスクが高くなるのではないかと言われることがあり、このために治療をためらう女性もいたようです。
今回、不妊治療で使う排卵誘発剤が、卵巣がんのリスクを高めることはないという安心できる報告が発表されたことを、ロイターが報道しました。
これによると、これまでも卵巣がんをはじめとする婦人科系のがんと、排卵誘発剤を用いる不妊の治療については、関連性の有る無しが長いこと議論されているそうです。
実際のところでは、不妊の原因に隠れた卵巣がんがあることが、ないとも言い切れないので、本当の意味での結論づけは難しいとのことでした。
がんにかかっていない人の方が不妊治療の割合が高かった
今回の発表では、1900人の女性のデータを分析しています。卵巣がんと診断されている人が、1028人、同世代でがんにかかっていない人872人が対象です。
排卵誘発剤での不妊治療経験がある人は、がんにかかっていない人で24%だったのに対し、卵巣がんにかかっている人では17%でした。このことから、排卵誘発剤が特にがんのリスクを高めたとは考えられないと解釈されました。
この発表に対して専門家は、不妊に悩む女性が少しでも安心して治療を受けられるようになることはとても意義のあることだとしています。

Reuters ; Study finds no fertility drug, ovarian cancer link
http://www.reuters.com/article/2013/04/10/Fertility drug use and the risk of ovarian tumors in infertile women: a case-control study
http://www.fertstert.org/article/