タイトルだけ見ると心配。実際はどうなの?
先日、専門誌に「妊活期間が長かったカップルの子どもは、神経系に問題があることがある」という発表がなされたため、3月の終わり頃になり多くの海外メディアがこの話題を取りあげました。
タイトルで「神経系に問題」と言われてしまうと、何とも不安になりますが、どのような発表だったのでしょうか。
209人の子どもを分析すると、リスクが3割増し?
この調査は、両親の妊活期間が長かった209人の子どもたちの記録を分析したものです。122人は、何らかの生殖補助医療のもとに生まれており、87人は特に医療の力を借りずに妊娠、出産に至った子どもたちでした。
2歳の時点で、神経系統の働きを調べるテストを行いました。この結果、軽度の障害があると見られた子どもは、4年程度の妊活の末に生まれた子どもと、2年8ヶ月程度の妊活で生まれた子どもを比較すると、妊活が長かった両親の子どもで3割ほど多く見られました。
16人中10人は日常生活に支障なし
では、「3割増し」とは実際に何人だったのでしょうか。実は206人中の16人に過ぎなかったのです。更に、このうち10人では、日常生活に支障を来している子どもはいなかったそうです。
この調査は、科学的な裏付けとしては規模が小さすぎるものです。このことは、実際に調査を行ったオランダの研究チームも認めていて、今後もっと大きな規模での調査が必要だと説明しています。
時に、様々な報道が私たちを不安にさせることがありますが、まずは実際の調査内容をきちんと理解することが大切です。
その上で、不妊治療を受けるときの参考にして、何か気になる症状などがあれば、すぐに専門家に相談するといった姿勢を身につけたいものです。

Increased time to pregnancy is associated with suboptimal neurological condition of 2-year-olds
http://fn.bmj.com/content/early/2013/02/27/Study Clarifies Link Between Fertility Treatments and Neurological Problems In Kids
http://healthland.time.com/2013/03/26/