お産の痛みは忘れられるって本当?
種の存続のために、痛みの記憶というのはとても重要なものです。痛みを感じて、これを避ける自然の働きがあるからこそ、生命に危険を脅かすことから身を遠ざけて生きていくことができるのです。
出産の痛みについては、世界中で「
忘れられる痛み」として考えられています。なぜならば、出産によって人間という種が続くので、この痛みを女性が覚えていて、これを避けるように働けば、出産する人がいなくなってしまうという理論です。
痛みは出産体験のごく一部。
痛みを忘れられるとされる仕組みの一つが、
ハロー効果。出産の喜びなどの感情が強いことで、痛みの記憶が薄れるのです。ハローとは後光のこと。喜びという強い光の中で、痛みが見えなくなってしまうのです。
けれども一方で、「今までの人生で一番痛かった!」と表現する女性も多いことから、全く痛みのことを忘れてしまったわけではないことが分かります。
こうした様々な女性の声を統合した結果、長期的に関わってお産のことを振り返ってもらうと、お産に関しての満足度が高い人の方が、満足度が低い人よりも、痛みを軽く感じていることが多いようです。
お産の満足度は様々な要素に左右されるものですが、自分でもはっきりとしたビジョンを持って、お産への準備を進めていくことが大切ですね。

A longitudinal study of women's memory of labour pain--from 2 months to 5 years after the birth.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/Memory for labor pain: a review of the literature.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/Monday’s medical myth: women forget the pain of childbirth
http://theconversation.edu.au/