葉酸の効果を85000人で検証
母親の肥満や糖尿病などが、自閉症のリスクにつながることは、これまで様々な研究で突き止められてきました。
今回は、ノルウェーの85000人の女性を対象にした調査で、ありきたりのビタミンで自閉症の発症リスクが劇的に減少することが分かったのです。葉酸をたくさん摂っていた人では自閉症の子どもを持つ確率は0.1%でしたが、葉酸を少なく摂っていた人は0.21%という、調査チームも目を見張る結果が出たのです。
その栄養素とは、ビタミンB群の一種である葉酸です。これまでも、小規模な調査では同様の指摘がされてきましたが、これだけの規模で確認されたのは初めてです。論文は、
Journal of the American Medical Associationに掲載されています。
葉酸は、ほうれん草、ブロッコリーや、お米に豊富に含まれています。妊娠を望んでいる女性は、アメリカでは脊椎披裂の予防のために、1日400グラム以上を摂ることが理想的とされています。
これまでは、脊椎披裂自体が稀な病気であるため、認識度が低く、葉酸の摂取に気をつかっていなかった人も多かったのが現状です。
けれども、自閉症という誰もが耳にしたことのある言葉と葉酸がリンクすることが分かれば、実行に移す人も多いことでしょう。
食事とサプリを賢く組み合わせて1日400ミリグラム
食事から摂る葉酸の吸収は50%と言われるので、実際には不足がちの方も見られるのでサプリを賢く使うのもおすすめです。吸収度が75%といわれる葉酸サプリは価格も安くて、手に入れやすいことも大きな魅力です。
最大の効果を目指すのであれば、受精の4週間前から妊娠8週までが特に大切だそうです。妊娠初期の数週間は脳や神経の形成に重要な時期であり、その後の一生に影響を及ぼすと言っても過言ではありません。
これまで意識的に葉酸を摂っていなかった人は、是非日常生活にとりいれるようにしましょう。

Association Between Maternal Use of Folic Acid Supplements and Risk of Autism Spectrum Disorders in Children
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1570279