もしも男の人が妊娠したら?
もしも男性が妊娠する世界があるとしたら?男性が家事をし、子育てをし、女性は会社で育児休暇抜きでばりばり働くことも当たり前になるだろうか。妊娠・出産・育児の大変さを男性は身にしみて分かってくれるだろうか。
生物学的にいって非現実的な社会を、なんということもなく男性を妊娠させ、現実的に子育ての問題を読者になげかけた漫画がある。2013年1月11日に講談社から出版された坂井恵理著「ヒヤマケンタロウの妊娠」だ。
男の人が妊娠するのが普通の時代
男性が妊娠・出産できるようになって10年後の世界を、エリートサラリーマン桧山健太郎(男性)を妊娠させることによって、男性の妊娠、出産に対する世の偏見を表現する。
男性が妊娠するお話であれば、コメディだと思ってしまうが、漫画からは、現実的に女性がかかえる妊娠の悩みに多く触れており、シリアスな問題点に正面から取り組んでいる。女性が妊娠時いかに我慢をしているか、どれだけ辛いのかを男性を妊娠させることによって、再認識させることができる。
例えば、檜山は妊娠後、満員電車の危険性を学び、つわり中の女性の気持ちを理解する事ができた。漫画では檜山以外にも、中絶した男子高校生や1人目を妻が、2人目の子供を夫が妊娠するカップルなども登場する。
女性にも男性にも楽しめる話題の一冊。男性は妊娠女性の気持ちが以前に増して理解しやすくなるだろう。

ヒヤマケンタロウの妊娠 (BE LOVE KC)
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