1回500万円
大きな話題となっている卵子提供。しかし、現在実際に提供を受けられるのは既に登録済の数人のみ。事実上、日本で卵子提供を受けることはできない状態だ。
そのため、卵子提供を受けようと海外に亘る日本人があとを絶たない。渡航先として多いのはアメリカ。サンフランシスコのある業者では、日本人の申し込みは200人を超えるのだと言う。ゴールデンウィークは予約でいっぱいだ。
費用は1回500万円。以前は医師や弁護士など、いわゆる高給取りの家庭がほとんどだったが、今では普通のサラリーマンや公務員も多い。
また、タイでも、卵子提供が受けられる。しかも、アメリカの約4分の1の費用でできるのだという。そのため、訪れる日本人は年間数百人にのぼるという。
卵子提供のリスク
他人の卵子と夫の精子を受精させた胚(受精卵)を妻に移植し、出産につなげるのが卵子提供だ。生まれた子どもの父はもちろん夫になるが、妻は戸籍上は母になるものの、遺伝子上では他人ということになる。
また、卵子提供を受けると、そうでない場合と比べ、早産の確率が1.5倍になり、癒着胎盤のリスクも高まる。
それでも、2004年から08年までは1万件に1例だった卵子提供が、09年以降は2.7件になり、約3倍になった。
最近よく聞かれるようになった「卵子の老化」という言葉。必死に働いてきた女性が、「やっぱり子どもを産みたい!」と考えるようになった時にはもう遅いというのはやはり悲しすぎる。
卵子提供のあり方は問われ続けている。法整備などが進み、子どもを望む夫婦の希望となればいい。

NHK クローズアップ現代
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3292.html