「OD―NET」とは
2013年1月14日、不妊治療クリニックの医師らが、NPO法人「卵子提供登録支援団体(OD-NET)」を設立することを発表し、大きな話題となっている「卵子提供」。
卵子の提供を受けられるのは、ターナー症候群や早発閉経などで卵子がない女性で、40歳未満という年齢制限もある。また、当面は既に登録をしている20名の女性が治療の対象となり、今のところ新規募集はしていない。
そして、卵子を提供できるのは、既に子どもがいる35歳未満の女性だ。提供は無償。採卵の際にリスクが生じることや、生まれた子どもが15歳になった時、本人が希望した場合は住所や氏名などが子どもに伝えられるという条件を承諾する必要がある。
生殖医療の法整備、その難しさ
生殖医療の法整備はこれまで、厚労省が検討しつつも先送りになっていた。それは、生命倫理や家族観の観点から、法律を作ることが非常に難しい分野だからだ。
しかし今回のOD-NET発足を受けて、翌15日、田村憲久厚生労働相は、この卵子提供に関して、「国内の実態、外国の法律を整理しながら日本でどう進めていくか検討したい」と考えを述べた。
生殖医療は、まだまだ様々な課題が残る分野だ。倫理的な価値観は人それぞれで、一つの法としてまとめることは容易ではない。
しかし、OD-NETの発足で、これまで不可能とされてきた「卵子がない状態で我が子を抱く」という大きな望みが叶った人もいるということは、非常に大切なことだろう。

厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/