東日本大震災が日本人女性の意識に与えた影響
今年、日本は空前の出産ブーム。著名人も含め、多くのカップルが結婚、出産を果たした。霞が関ビル診療所婦人科の丸山綾医師はこの妊娠・出産ブームには、2011年3月11日に起こった東日本大震災が大きく影響していると話す。
この気持ちは分からなくもない。大きな災害を目の当たりにし、「人間はいつ死ぬか分からない」という事実を突きつけられることで、本当に必要なものは何か、を深く考える人が増えたためだろう。
「死」を意識することで、それはどんどんとシンプルになり、「人間」として、「動物」として、子孫繁栄に意識が繋がるのも無理はない。
映画『理想の出産』
そして、年々増え続けているのが不妊治療。日本は今や世界一の不妊大国とすら言われている。そんな中で問題視されているのが男性の妊娠・出産に対する意識だ。一言で言ってしまえば「ひとごと」と捉えている人が多いということ。
しかし、もちろん子供は男女がいないとできないもの。生まれてくる子は2人の子供なのだ。それでも、「子供は女性が育てるもの。男は外で仕事をするもの」という意識は根強く息づいている。
これは、日本固有の意識かと思いきや、実はこの考え方は世界共通のものだ。その証拠に、フランス映画『理想の出産』の中でも、必死に働く父親は疲れ果て、育児に参加することができず、母親は日に日に孤独を募らせていってしまう。
育児ノイローゼなども問題視されている時代。国や地域よりも前に、父親がしっかりと育児に参加することが何よりも大切なようだ。

シネマ・トゥデイ
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