妊活の長さや不妊治療が子どもの喘息症状に関係
イギリスでは、調査の結果、生殖補助医療技術を使って産まれた子どもたちでは、自然妊娠で産まれた子どもたちに比べて、5歳の時点で喘息の症状が見られることが4割程度多いことが分かりました。
調査はイギリス全土から18,818人の子どもを対象に行われています。質問に回答したのはお母さんたち。9ヶ月で調査対象になるかどうかが決まり、現在も継続調査中ですが、今回は5歳の時と7歳の時の回答を分析しています。
これまでにも妊活期間が長かった場合で、喘息の症状が出る子どもが妊活期間が短かった場合よりも、喘息の症状がある子どもが多く見られることが知られていました。不妊治療と生まれる子どもの喘息の関係については、これまで明らかになっていませんでした。そこで、不妊治療や生殖技術を用いて生まれた子どもにもこれがあてはまるかを、現在確認中なのです。
5歳の時は自然妊娠で生れた子どもより確率が高い
5歳の時には72%が喘息の症状があると報告されていて、生殖技術を使って生まれた子どもでは、自然妊娠で生まれた子どもに比べて喘息の症状が多く見られました。
7歳では64%の子どもたちが、喘息の症状があると報告されていますが、この時点では自然妊娠と生殖補助医療技術のグループでの差は小さくなっていました。
とはいえ、調査対象になった子ども全体の中で、生殖補助医療技術の成果で生まれた子どもは、割合としては少ないため、今後生殖補助医療技術と子どもの喘息に関しては、引き続きの調査が必要と考えられました。
過剰な心配はせず、子どもの健康管理の十分な知識と理解を
子どもの喘息は、決して珍しい病気ではなく、不妊治療を行った両親が過剰に心配したりする必要はありません。ただ、喘息の症状の見分け方を知ったり、適切な受診のタイミングについて理解を深めたりすることで、子どもの健康管理をより効果的に行うことが出来るでしょう。

Human Reproduction ; Asthma in children born after infertility treatment
http://humrep.oxfordjournals.org/content/early/2012/11/29/