ヒキガエル 交尾回数が多いと精子の元気がなくなる?
ヒキガエルを使って行われた実験で、不妊の新たな事実が明らかになろうとしているようです。
精子を作り出す回数を増やしたオスのヒキガエルと、自然の状態のヒキガエルを比べたところ、精子を作る回数を増やしたヒキガエルでは元気のない精子、死んでしまう精子が多かったそうです。
また、ヒキガエルが交尾した回数と、精子の質の関係を調べてみると、交尾の回数が増えれば増えるほど、精子の死亡率が高くなってしまうことが確認されたのです。
精子を作る頻度と精子の老化が関係
この状況を更に分析していったところ、精子を作り出す頻度が、精子の老化に影響することが分かったのです。精子を作る頻度が下がると、精子の老化のスピードを抑えることが出来るので、結果的にパートナーの妊娠率が上がることになるのだそうです。
ヒキガエルと一緒にされるのは、どうかと思いますが、この法則は、自然界の多くの動物、そしてヒトにもあてはまるのではないかとされているのです。妊活の中で、禁欲を指導されることがありますが、今回の調査結果は、禁欲の効果を裏付けることになりました。
このところ、男性不妊では、ストレスが大きな原因とされてきましたが、今回の発見はストレスとはまた別の次元の話です。赤ちゃんが欲しいと願っているカップルでは、少しでも確率を高めたいと、頻繁に仲良くしなければという雰囲気になりがちですが、緊張感がストレスにつながることもあります。その上、元気な精子が減ってしまうと、思ったよりも妊活効果が得られないこともあるかもしれません。あまり神経質にならず、二人で過ごす時間を大切にすることが近道となりそうです。

PLoS ONE ; Post-Meiotic Intra-Testicular Sperm Senescence in a Wild Vertebrate
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0050820