大学生が妊活!?
「世界一の不妊大国」とまで言われるようになった日本……。このような背景をもとに、21日付のフジテレビ系(FNN)ニュースでは「少子化ニッポンの未来 失われる卵子と闘う夫婦」と題したタイトルで、高齢化出産の現状とそれを取り巻く問題点を報じている。
番組ではまず最初に、結婚や妊娠とは、まだまだ縁がなさそうな大学生たちが、自らの意志を持って子作りに励む活動=「妊活」について、真剣に学ぶ姿が紹介された。学生たちは、出産と仕事の両立について学んだというのだ。
「妊活」の現状を学んだ大学生の1人は、
「卵子は毎月出るものだと思っていた。それが違うということで、すごいびっくりした」
とコメントを寄せた。中には「就職前、結婚前に、こういう情報を知る機会がみんなにあれば」と
言った意見も寄せられ、晩婚化による不妊の問題の1つとして、「卵子の老化」という切実な問題があることを、若者たちがきちんと把握していないことが浮き彫りになった。
不妊の原因は「卵子の高齢化」
2012年の調査によると、日本の初産の平均年齢は30歳を超えており、国立成育医療研究センター不妊診療科の齊藤英和医長は
「日本人女性の妊娠能力がかなり落ちている。妊娠しやすい時期を僕は20代後半だと思っているので、5~6歳も高齢になっている」
と分析している。
では、不妊の原因の1つとされる「卵子の老化」とは具体的にどういうものなのだろうか?
番組では、30歳と42歳の受精卵を比べ、30歳の受精卵は、とても活発に細胞分裂していくのに比べ、42歳の受精卵は、動きが鈍く、分割の仕方も均等ではないということを紹介した。
つまりそれは、受精したとしても発育せず、妊娠しにくくなるということを指している。
また、番組では40歳代前半の夫婦の不妊治療についても取り上げており、結婚後4年を経て、不妊治療に踏み切ったそうだが、不妊治療を開始してから2年は、予約待ちの漢方を取り寄せたり、朝晩のサプリメントを欠かさないなど、生活のほぼ全てを、妊娠しやすい体にするための活動に費やしてきたという。
その総額は500万円にも上るというから驚きだ。結果がなかなか出ないため、血液検査をするだけで、自分に残された「卵の数」がわかる「AMH」という検査も受けたそうだが、平均値を大きく下回る結果だったそうで、落ち込み具合は隠しきれない様子だ。とはいえ、限られた時間を有効に使うため、この夫婦は予定を早めて治療を進めることにしたそうだ。
前出の齊藤医長によると
「不妊に悩む女性が増えている背景として、女性が働きながら出産する社会環境が整っていないことや、妊娠に対する学校教育の遅れが考えられる。不妊に気づいたら早めの治療。1年待つというよりは、子どもを持とうとすることをスタートすることが一番」
と語っている。

FNNニュース
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