化学物質と不妊の慣例性を「程度」で解明
化学物質が体に良くない影響を起こして、それが不妊につながるという考えは、これまでも多くの人たちが持っていました。
けれども、どの程度影響を与えるかということを、正確に把握してはいなかったのが現実です。
今回イギリスで行われた調査では、この「どの程度」の部分を解明しました。
影響は最大29%
研究には、500組のカップルが参加しました。いずれも、避妊はしておらず、妊娠したか、妊娠せずに1年が経過した時点で、参加終了としました。
参加したカップルは、それぞれ妊娠に関連するホルモンの測定キットの提供を受け、妊娠のチャンスを狙いやすいようにしました。また、それぞれが食べ物や習慣などについての日誌を記録しました。
参加終了時に血液検査を行い、PCBなど、血液中に含まれる化学物質を調べ、この量と妊娠成立の関連があるかどうかを分析しました。すると、有害と考えられている化学物質が血液中に多く検出されているカップルでは、妊娠の可能性が最大29%下がることが判明したのです。
こうした傾向は女性だけでなく、血液中の有害物質の値が高い男性でも、パートナーの妊娠の割合に影響を及ぼすことが分りました。
妊娠するまで、または1年間妊娠しなかったとき限定で調査
これまでの研究は、妊娠した人の過去の生活や、妊娠しなかった人の過去の化学物質にさらされてきた状況を振り返る形での研究でしたが、今回の研究では、「妊娠するとき」に注目しているため、非常に信頼度も高く、専門家の間でも話題となっているとのことです。論文は専門誌Environmental Health Perspectivesに掲載されました。
きれいな空気、安全な食べ物、などの必要性を再認識させられますね。

Time ; Pollutants Linked to Lower Fertility in Both Men and Women
http://healthland.time.com/2012/11/15/Environmental Health Perspectives ; Persistent Environmental Pollutants and Couple Fecundity: The LIFE Study
http://ehp.niehs.nih.gov/2012/11/1205301/