想像妊娠とは
子育て応援サイトのハピマミには、助産師のHillまゆ子氏による、ベビ待ち女性に多く見られる「想像妊娠」の基礎知識のコラムが紹介されている。
妊活中の女性の中には、毎月生理予定日の近くなるとそわそわして体や心が不安定になり、つわりのように吐き気がしたり、生理が遅れたりして、妊娠検査薬をフライング使用してしまうという経験もあるかもしれない。
そんな時、「これは想像妊娠なのか?」と不安に思う方もいるだろう。さて、想像妊娠とは、どのようなものだろうか。
想像妊娠とは、実際には妊娠していないのに、妊娠と同じ症状が現れることを言う。英語では“Pseudocyesis”といい、きちんとした病気なのだ。
症状としては、生理の遅れやつわり、乳房増大、などに加えて腹部の膨大なども起こり、妊娠と同じ症状が出現する。そのまま進行して出産予定日の近くになると、陣痛や出血などが起こる場合もみられる。
妊娠と想像妊娠の決定的な違いは、「尿中(血液中)のHCGが上昇しない」「子宮内に胎児がいない」の2点であるので、妊娠検査薬の陽性反応は起こらず、エコーをしても胎児が見えることはない。想像妊娠かと思ったら、まずは妊娠検査薬の説明書を見て、きちんと使用してみるとよいだろう。
想像妊娠はなぜ起こる?
想像妊娠に関しては、あまり研究が行われておらず、多くのことが明らかになっていない。
しかし、過去の症例によると、20歳〜39歳の女性で、長年妊娠を強く希望している方や、流産の経験があったり、流産を繰り返している方に多く見られる。
以前は、「女性は結婚したら妊娠するべき」という風潮があり、プレッシャーから想像妊娠の症例が多く見られたと言われているが、現在では、妊娠検査薬や妊娠初期のエコーの普及から、その件数は減少傾向にあるようだ。
なぜ、想像妊娠でこうした症状が現れるかについては、「脳が妊娠している」と誤認して、妊娠期と同じようにエストロゲンを多量に分泌するからだと言われている。
エコー検査の回数の少なさなどから、ブラジルやアメリカでは過去に、想像妊娠で帝王切開になったという例があるほどだ。
想像妊娠を防ぐために
赤ちゃんが欲しいという願望があまりにも強いと、その感情を自力でコントロールするのは難しく、努力で防ぐことは難しいかもしれない。
妊娠検査の結果が陰性だとわかった時点で妊娠症状がなくなれば、心配することはないが、万が一妊娠検査薬で陰性が出ても症状が続くようなら、それは重症と言えるので、産婦人科を受診し、心療内科などを紹介してもらう必要があるだろう。
期待や不安が、体の症状となって現れることは珍しくないが、妊娠しなかったことをあまり深く考えず、また次の月を心待ちにすれば良いだろう。
その時に、妊娠していたらできないような、お酒を飲みに行ったり、甘いものをたくさん食べるといったことなどをして、少し自分を甘やかすのも一つの方法だ。

ハピマミ
http://papimami.jp/16502