テストステロン減少が男性不妊の一因
アメリカ泌尿器学協会(AUA)の会議にて発表された最新の研究報告より、テストステロン補充療法(TRT)を受けている30代から40代の男性は不妊のリスクが高まると判明した。
テストステロンは男性ホルモンの主な構成成分であり、筋肉量や強度を保ち、性機能に重要な役割を担っている。そのため、テストステロン値が低いと性機能障害、筋肉量の減少や内臓脂肪の増加などが生じる。
テストステロン補充療法にて血液中のテストステロン量を正常値に戻すことにより症状は改善するが、一方、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)の分泌は止まり、精子生産量が減り、不妊の要因になり兼ねないという。
カンザス大学のアジャイ・ナンギア博士(Dr. Ajay Nangia)は、テストステロン補充療法に関する知識は不十分であるため、理解を深める必要があると指摘している。
(画像はAmerican Urological Association HPより)
肥満とテストステロン
コーネル医学大学にて、糖尿病や肥満の男性を対象にテストステロンに関する研究が実施された。被験者58人のうち、32人は標準体型、26人は肥満体型であった。
研究開始時、被験者58人のホルモン量は基準範囲の最低値であり、テストステロン値は低く、性機能障害の兆候が見受けられた。
18カ月から24カ月間のテストステロン補充療法を経て、肥満体型の男性52%、標準体型の男性81%においてテストステロン値が正常値に戻り、性機能障害も改善したという。
不妊とテストステロン
ナンギア博士は、患者、特に医師に対して性機能障害や不妊治療においてテストステロン補充療法に頼り過ぎていると批判的であり、テストステロンは精子形成機能を低下させ、場合によっては無精子症を引き起こす要因となると指摘している。
また、泌尿器科医ミカエル・アイゼンバーグ(Michael Eisenberg)は、家族計画がある男性はテストステロン補充療法に関して慎重になるべきとの考えである。

drugwatch
http://www.drugwatch.com/Marketwatch
http://www.marketwatch.com/WebMD
http://www.webmd.com/