体外受精における画期的な技術
Unisense FertiliTech社(デンマーク)が開発したエンブリオスコープ(EmbryoScope)、Auxogyn社(アメリカ)が開発したEava胚検査により、人工授精後から受精卵(胚)移植まで胚(受精卵)の成長過程を自動モニタリングできるようになった。
(画像はFertilitechより)
従来のモニタリング方法-顕微鏡検査
従来の方法では、胚(受精卵)の成長状態を確認するため、胎生学者が1日1回、24時間ごとに胚(受精卵)を人工孵化器から取り出し、毎日数分間、顕微鏡で検査する必要があった。
顕微鏡検査は単一的、静的記録であるため、成長過程における重要な変化を見落とすことも多く、また、人工孵化器から取り出すことで胚(受精卵)を損傷させるリスクもあった。
新しいモニタリング方法-エンブリオスコープ(EmbryoScope)、Eava胚検査
エンブリオスコープ(EmbryoScope)、Eava胚検査では、低速度撮影写真やソフトウェアにより人工授精から受精卵移植まで胚(受精卵)の成長過程を記録する。
成長過程の初日3日間から5日間は低速度・高解像度ビデオ撮影も可能となり、胚(受精卵)が動的に成長し、絶え間なく変化する様子が確認できる。
エンブリオスコープ(EmbryoScope)、Eava胚検査の利点
エンブリオスコープ(EmbryoScope)、Eava胚検査では、体外受精患者1人につき最大12の胚(受精卵)をモニタリングでき、人工孵化器で生育期間中10分から20分ごとに各胚(受精卵)の写真を撮影できる。
低速度撮影画像を駆使して移植成功率が高いと思われる胚(受精卵)を選び、受精卵(胚)移植を行うことが可能となり、これにより体外受精治療の成功率は高まると期待されている。
また、Eava胚検査のソフトウェアは科学的・臨床的に証明された細胞分裂と比較して胚(受精卵)の成長を自動分析するので、胚(受精卵)が細胞分裂する時間を把握することができる。
体外受精治療の今後
現在、新しいモニタリング方法については評価中である。ヨーロッパでの臨床試験によると、体外受精中にエンブリオスコープ(EmbryoScope)を利用することで臨床妊娠する確率が高まった。イリノイの不妊治療センターでは、現在、センター内臨床試験が実施中である。

Fertility Authority
http://www.fertilityauthority.com/Fertilitech
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