卵子老化におびえる女性に福音となる「凍結保存技術」
カップルの7組に1組が不妊であると言われる昨今、「子どもが欲しい」と思う人をサポートする生殖補助医療(ART:Assisted Reproductive Technology)はすさまじい勢いで進歩している。
「ハフィントンポスト」では、書籍「生殖医療はヒトを幸せにするのか 生命倫理から考える」の著者・小林亜津子氏が今日の生殖補助医療の実情と、それらがもたらす影響について紹介している。
(画像はイメージです)
「凍結保存技術」は、精子や卵子、受精卵を凍結して老化を止める技術。この技術は「キャリアを築くまで、出産を先延ばしに」といった自由な人生設計の実現ばかりか、死亡した夫の精子を使って子どもを授かる「死後生殖」や、結婚することなく子どもを授かる「選択的シングルマザー(精子バンクの利用)」も実現することができる。
高確率で男女を産み分ける「遺伝子解析技術」
「遺伝子解析技術」で受精卵の性染色体を調べることによりほぼ確実に男女を産み分けることが可能となる。
アメリカやタイでは男女産み分けがさかんに行われており、日本でも150万円(渡航費含む)という費用にもかかわらず少なくとも90組の日本人夫婦がタイで産み分けを行っていることが2012年に判明している。
生殖医療がもたらす問題
これらの生殖医療は、新たな問題も生み出している。「死語生殖」は現在の日本では認められていないため「血のつながりはあるのに、法的には親子とは認められない」という事例が実際に発生し、「男女産み分け」は「親の身勝手」という倫理面での議論を呼んでいる。精子バンクや代理母は、生まれた子どもが出自を知る権利をどうするかが問題となっている。
小林氏は記事で
生殖医療の目新しさだけに注目するのではなく、技術と価値観のあいだに生じる多くの難問について、考えなければならない時代がきている
(ハフィントンポストより)
と呼びかけている。

死んだ夫の精子を使って、子どもを生んではいけませんか?
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