葉酸、鉄、カルシウムに続いて
妊娠中に摂りたい栄養素として知られているものに、葉酸、鉄、カルシウムなどがあります。そして、このところ注目を集められているのが「コリン」です。ビタミンBの一種で水に溶ける性質があります。
一生を通じて脳の機能にプラスの効果
この栄養素について、まだ明らかになっていないことも多いのですが、どうやら赤ちゃんの脳の発達に影響するのではないかと見られています。コリンを十分に摂っていないと、赤ちゃんのIQが低くなると言う仮説がありますが、産まれていない赤ちゃんのIQを測定したり、その後の成長について追跡することが非常に難しいため、仮説の域にこれまでとどまっていました。
けれども、最近の調査で、妊娠中にお母さんの血液の中のコリンが少なかった赤ちゃんは、生後18ヶ月で行った認知力のテストで、低いスコアが出たという報告がありました。
妊娠中のコリンの摂取が増えると、その知能の高さは成人になっても続くとする報告もあり、記憶力も保たれるとされています。
そして、最新の調査で、更に興味深い事実が明らかになりました。妊娠中のコリンの摂取は、胎児のストレスホルモンとして知られるコルチゾールの量を減少させることが分かったのです。研究者たちは、この現象が、赤ちゃんの脳や神経、メタボリズムの発達にプラスに働きかけると見ています。
どうやって摂るの?何から摂るの?
それでは、コリンをどのようにして、どのくらい摂ると良いのでしょうか?女性は妊娠中は1日450㎎、授乳中は550㎎とされています。また、赤ちゃんのうちは1日125㎎、3歳くらいからは200㎎を目安に摂るようにしましょう。
妊婦さん用のビタミン剤には、コリンがほとんど含まれていますので、量をチェックしましょう。そのほかの食品でコリンが豊富なものは、卵1個あたり126 mg、豆腐 100mlあたり100 mg、牛肉100㌘あたり67 mg、そのほかもやし、カリフラワー、ピーナツバター、スキムミルクなどにも含まれています。
コリンは母乳にも含まれるので、これも母乳育児が推奨される理由の一つ。
ただし、何事にも適量があるように、コリンも取り過ぎると好ましくない症状が出ます。生臭い体臭、吐き気、低血圧などです。サプリとあわせて食事からも取り入れる場合、こうした症状も頭に入れておきましょう。

US NEWS ; Pregnant? Get Your Choline!
http://health.usnews.com/health-news/blogs/eat-run/2012/08/31/