11の研究から分析すると凍結胚は良い結果に
IVF(体外受精)にあたって、凍結肧の方が新鮮な受精卵を用いるよりも、よい結果になると、Daily Mailが伝えました。
通常IVFを行う場合は、いくつかの受精卵から最も状態が良いと見られるものに2-3日必要な処置を施して子宮に移します。それ以外の受精卵は凍結されて、将来に備えられるようになってきました。
しかし技術の発展に伴って、受精卵は先に凍結処理を行った方が、良い結果を導くことが、合計37000人が対象となった、世界中の11の研究成果から明らかになりました。
赤ちゃんにもお母さんにもメリットが
産まれてくる赤ちゃんについて言えば、低出産体重児や早産の発生は3割以上減少し、産まれてから一週間以内になくなる赤ちゃんも2割減っているそうです。
また、母体への影響から見ると、妊娠中の出血などの合併症を起こす人が、凍結処理を施さない受精卵を用いた場合に比べて、3分の1ほど減少していました。
凍結という比較的新しい方法に、抵抗を覚える人も多かったそうですが、この調査結果がその先入観をぬぐい去るものになるでしょう。
伝統的に「新鮮な」ものがベストと考えられてきた結果を覆すことになりました。
今後原因を科学的に解明して慎重に導入を
この原因は、まだ解明されていませんが、ひとつには、体外受精を行うために、様々な薬品を使ったお母さんの体のコンディションが、妊娠に耐えられるように十分に回復する時間があることが挙げられると推測されています。排卵誘発剤などを初め、ホルモンに働きかける薬を使うことが多いので、これはうなずける解釈です。
現在のところは、まだ複数の研究の集大成から導かれた説ですが、すでに不妊クリニックで凍結胚を用いているところでは、手応えを感じているところもあるそうです。
研究チームでは、今後も追加調査を行うことで、原因を明らかにした上で、慎重に凍結胚の利用を進めるべきだと考えています。

Daily Mail
http://www.dailymail.co.uk/