父親の職業により出生異常の可能性が高まる
7月18日付、米医療系情報サイトMNTによると、アメリカの研究員らが、父親の職業により、その子の出生異常のリスクが高める可能性があることを調査、学術誌「Occupational and Environmental Medicine」にて公表した。
画像提供:足成
精子への影響を考慮した分析
研究員らは、1997年から2004年の間に、自分の子どもを授かり、同時に子どもに何らかの障害があった1,000人の父親の職業を調査。結果として死産、中絶に至った場合も含んだ。
研究員らは、調査対象となった父親らの職業を、職業上の化学薬品の取扱いや潜在的な危険度、また母親が妊娠する3カ月前から妊娠後1ヶ月、通算して4ヶ月の間に、父親の精子が損傷するような重大な何らかの影響があったことなどを考慮して、63のグループに分類。また同時に、生まれた子どもの出生異常を60のカテゴリに分類して、
ベイズ統計を使用して分析した。
関連性の無かった職業とは?
父親らの職業の9割方は、事務職や営業職、土木業務に従事。分析の結果、全体の3分の1にあたる次の職業には、出生異常との関連性は見受けられなかった。
具体例を挙げると、医療従事者、歯医者、消防士、建築士、デザイナー、自動車組立工、漁師、芸人、鉄工所従業員、石工士、ガラス技師、画家、車掌、保守管理技術職、自衛隊員、潜水作業員。
関連性が指摘された職業とは?
一方で子の出生異常との関連性が見受けられた職業は、コンピューター関連の科学者、芸術家、数学者、物理学者、写真家、現像技師、庭師、坑内作業員、美容士、飲食店従業員、事務管理作業員、製材所作業員、ガソリンやガスを扱う作業員、印刷作業員、運転手、化学薬品を扱う作業員だった。
特に芸術家の子どもらには、口、目、耳、消化器官、手足、心臓などに疾患がある傾向が確認され、また写真家を含む印刷関連作業員や運転手の子どもらには、白内障や緑内障などの目の疾患がより多い傾向があった。庭師や坑内作業員らの子どもらには、消化器官の疾患が多い傾向があった。研究員らはこの結果を、父親自身の職業病を考察する上でも役立てて頂きたいと伝えている。(編集部翻訳担当 渡邉充代)

MNT
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