母乳の中にオメガ3脂肪酸を発見!
6月9日付の米国科学振興協会(AAAS)が提供するオンラインニュースサービス、EurekAlertによると、人類学者らが、学術誌「Maternal and Child Nutrition」の中で、経済的に貧困状態にあるアメリカ人の女性の母乳の中に、高濃度のオメガ3脂肪酸を発見したと発表した。
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オメガ3脂肪酸とは?
オメガ3脂肪酸は、悪玉コレステロールを分解し、血液を浄化する作用がある。オメガ3のオイルに含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)には、脳、神経系統、目の健康に効果があるとされている。
母乳にはたくさんのDHAが含まれている!
本研究では、アメリカ人の女性らと、アマゾン川流域に住むボリビアの先住民族の女性らの母乳の比較を行った。結果、ボリビアの先住民族の女性らの母乳の方が、母乳に含まれるオメガ3脂肪酸の濃度が非常に高いことが分かった。また、その母乳にはDHA(ドコサヘキサエン酸)が非常に多く含まれていた。ボリビアの先住民族の女性は、地元でとれた穀物や、野生の動物の肉、淡水魚を主食としている。
さらに研究をすすめると、アメリカ人の女性、ボリビア人の女性いずれも、母乳に含まれるDHAの割合は、出産後2年経過しても大幅に減少しないことが分かった。つまり、新生児の脳が成長する時期に、新生児は母乳からDHAを最大限に摂取することができるのである。
この発見は、アメリカだけでなく日本の母乳育児にも、一石を投じるものと期待される。(編集部翻訳担当 渡邉充代)