ホルモンの変動が歯周病につながる
Oral Health & Preventive Dentistry5月号で発表されたところによると、アメリカのケース・ウエスタン・リザーブ大学が、女性の健康に関する過去の様々な研究の包括的な調査をし、「歯周病」と「女性特有の健康上の問題」との密接な関係が明らかになったとのことです。
女性には年齢に関わらず、思春期、月経時、妊娠時、更年期などにおいてホルモンの変動が起こります。そして変動するホルモンが口内環境に影響を与え、歯周病へとつながっていきます。
さらにそれだけでなく、口内のバクテリアの成長が促進され、そのバクテリアが血液中に混ざることによって、骨減少、子宮内胎児死亡、早産などの女性特有の問題につながる可能性があるということが今回の調査によってわかったのです。
妊娠前・妊娠中には特に注意
今回の調査では、過去の雑誌記事61件に掲載された100件近くの研究結果をもとに行われました。調査を進めたCharlene Krejci氏は、今回の調査結果について次のように語っています。
「歯周病」と「女性特有の健康上の問題」の間には、間違いなく密接な関係が見られます。
女性は男性に比べて、より口内環境に気を配る傾向があります。しかし女性は、今よりも一層注意深く、歯や歯茎のメンテナンスを行うべきです。それは、子宮内胎児死亡や早産などの女性特有の問題を防ぐためです。
毎日歯磨きやフロスによるお手入れをするだけでなく、Charlene Krejci氏は最低6ヶ月に1回(すでに歯周病があったり、妊娠中であったりすればより頻繁に)は歯医者へ行くことを推奨しています。
また、これから妊娠を計画している女性は、妊娠する前にしっかりと歯の治療をしておくことが大事だとのことです。
毎日の念入れなお手入れを
かつては妊娠中には歯医者へ行くべきでないと言われていましたが、現在では妊娠中の歯の治療はむしろ推奨されています。しかし、症状があまりにも深刻で大がかりな手術が必要となると、それは出産後となるケースもあるようです。
歯周病が子宮内胎児死亡や早産につながっていたとは、ちょっと驚きですね。これからは、毎日の歯のお手入れをもっと念入りに行うようにしたいものです。

Oral Health & Preventive Dentistry
http://ohpd.quintessenz.de/index.php?doc=toc