妊娠初期のメンタルヘルス診断ツール
1月20日、リンショーピング大学(スウェーデン)の研究チームは、「Acta Obstetricia et Gynecologica Scandinavica」にて、「Edinburgh Postnatal Depression Scale (EPDS:エジンバラ産後うつ病質問票)」は有益なスクリーニング検査であり、産後鬱病に加えて、妊娠初期の精神疾患を診断できると発表した。
「エジンバラ産後うつ病質問票」は、産後鬱病のスクリーニングを目的として開発された。10項目の質問にて構成され、回答者(産後の母親)は、質問事項に対して自己の気持ち・精神状態に最も近い回答を選択する。
回答はスコア化され、鬱病のスクリーニング検査に用いる。13点以上をスクリーニング陽性とし、追加検査の対象となる。
「エジンバラ産後うつ病質問票」の有益性
今回、研究チームが、妊婦2271人を対象に「エジンバラ産後うつ病質問票」を実施したところ、149人がスクリーニング陽性であった。スクリーニング陽性者のうち85%には、少なくとも1つの精神疾患あるいは危険因子(鬱病36%、不安障害14.8%、出産恐怖症・分娩恐怖症20.8%)が認められた。
また、妊娠中に喫煙をした、仕事をしていなかった、病期休暇を取得した女性は、スクリーニング陽性率が高まり、スクリーニング陰性者と比べて選択的セロトニン再取り込み阻害薬を服用する傾向にあった。
研究チームは、今回の結果より、妊娠中の精神状態をスクリーニングするうえで「エジンバラ産後うつ病質問票」の活用は有益であると考える。
(画像はAOGSより)

AOGS
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